キャブにつながるホースは何?燃料・ベント・ドレン・オーバーフロー・負圧ホースの役割

キャブレターを外してみると、横や下から何本かホースが伸びています。

「燃料ホースは分かる。でも、この下に垂れているやつは何?」

「これ、どこにもつながってないけど抜けた?」

初めて見ると少し不安になります。

でもキャブについているホースは、基本的な役割さえ分かればそれほど難しくありません。

だいたい覚えておきたいのは、

  • 燃料ホース
  • ベントホース
  • ドレン/オーバーフローホース
  • 負圧ホース

このあたりです。

燃料ホース|ガソリンの入口

これは一番分かりやすいホースです。

燃料タンク → キャブレター

へガソリンを送ります。

入ってきたガソリンはフロート室にたまり、そこからメインジェットやスロージェットなどへ送られていきます。

つまりキャブにとっての食料配達口です。

ここが抜けていたら、当然ですがキャブにガソリンが来ません。

ガソリンが来なければ、いくらキックしてもセルを回してもキャブは働けません。

ベントホース|キャブにも「息抜き」が必要

少し分かりにくいのがベントホースです。

フロート室の中を適切な圧力に保つため、外気とつながっています。

簡単に言えば、

キャブの空気抜き・呼吸口

みたいなものです。

このホースは車種やキャブによって、

  • そのまま下へ伸びている
  • フレーム付近へ取り回されている
  • エアクリーナーボックス側につながっている

など違いがあります。

ここで初心者がやりがちなのが、

「どこにもつながってない。抜けてる!」

と思って、どこかにつないだり栓をしてしまうこと。

何もつながっていないのが正常な場合があります。

ベントを塞ぐとフロート室の圧力が正常に保てなくなり、燃料供給に影響することがあります。

ホースが余っているからといって、全部に相方がいるとは限りません。

ドレンホース|ガソリンを抜く出口

フロート室の下側にあるのがドレンです。

フロート室に入っているガソリンを意図的に抜くためのものです。

ドレンスクリューを緩めると、

「はい、撤収します」

という感じでフロート室のガソリンがホースから排出されます。

キャブを外す前や、長期間バイクを保管するときなどに使います。

オーバーフローホース|ガソリンが多すぎたときの非常口

こちらは名前の通りオーバーフローした燃料を外へ逃がすためのホースです。

本来、フロートとフロートバルブによってガソリンは一定量で止まります。

ところが、

  • フロートバルブにゴミが噛んだ
  • フロートバルブが摩耗した
  • フロートが正常に動かない

などが起きると、ガソリンが入り続けることがあります。

すると行き場を失ったガソリンが、オーバーフロー側から出てきます。

「バイクの下からガソリンがポタポタ……」

という場合、このホースから出ていることがあります。

この瞬間だけは、ちゃんと仕事をしているのに非常に不安になるホースです。

なお、キャブによってドレンとオーバーフローの出口が別になっているものもあれば、同じホースへ排出する構造もあります。

詳しい原因については別記事で解説しています。

【関連記事:キャブのオーバーフローとは?原因と対処法】

負圧ホース|目に見えない力で仕事をする

最後が負圧ホースです。

エンジンが空気を吸い込むときに発生する負圧を利用するためのホースです。

代表的なのが負圧式燃料コック。

エンジンが動いて負圧が発生すると燃料コックが開き、ガソリンが流れる仕組みです。

ほかにも車種によって負圧を利用した装置につながっている場合があります。

燃料ホースのようにガソリンが流れているわけではありません。

細いホース一本なので地味ですが、抜けたりひび割れたりすると二次エアを吸い、アイドリング不調などの原因になることがあります。

使っていない負圧取り出し口なら、きちんとキャップで塞ぐ必要があります。

【関連記事:負圧キャブと強制開閉キャブは何が違う?CVキャブとFCRの仕組み】

「どこにもつながってないホース=異常」とは限らない

ここが一番覚えておきたいところです。

キャブからホースが出ていても、

必ず何かにつながっているとは限りません。

ベントやオーバーフローなど、もともと大気開放したり下へ逃がしたりするホースがあります。

逆に負圧ホースのように、抜けていると問題になるものもあります。

さらにキャブや車種によっては、エアクリーナーボックスにつながるベント、排ガス対策用の配管などが追加されていることもあります。

なので、

「余ってる。とりあえず塞ごう」

はやめておきましょう。

キャブを外す前に写真を撮っておこう

結局これが一番確実です。

キャブを外す前に、スマホで

右側・左側・上側

くらいから写真を撮っておきましょう。

分解して数日後、

「このホース、どこだったっけ?」

となったとき、過去の自分がものすごく頼れる整備士になります。

キャブについているホースは、一見すると全部同じ黒いホース。

でも役割はそれぞれ違います。

燃料を入れる。
空気を逃がす。
ガソリンを抜く。
あふれた燃料を逃がす。
負圧を伝える。

まずはこれだけ分かっていれば十分です。

そして分からないホースを見つけたら、抜く前、塞ぐ前、つなぐ前に確認する。

キャブのホースは、だいたいそれで平和に付き合えます。

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